在留資格「高度専門職」は副業・起業できますか?
2021,02,24
更新 2022・2・17
こんにちは。申請取次行政書士の伊藤亜美です。
先日、在留資格「高度専門職」を持っている方から、自分の会社を立ち上げたいというご相談をいただきました。
外国人の方が、副業・起業することは可能なのか、わかりやすくご説明いたします。
「高度専門職」とは?
在留資格「高度専門職」は「高度人材」と認定された外国人に発行される在留資格(ビザ)です。簡単に言うと「高度な知識や技能をもっている外国人」と認定されたときに許可されるビザです。
詳しくはこちらをご参照ください。在留資格「高度専門職」は永住申請も優遇される? 優遇措置と高度人材のポイント制をわかりやすく解説
「高度専門職」は副業・起業可能です。
高度人材と認定され、高度専門職のビザを付与されると、いくつかのメリットがあります。
①最初から一律で法律上の最長期間の「5年」の在留資格が付与される ②在留歴に係る永住許可要件の緩和 ③配偶者が学歴・職歴などの要件を満たさない場合でも、「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格に該当する活動を「特定活動」の在留資格で行うことができる④一定条件の下で親を日本に呼び寄せることができるなどです。
そしてそのメリットの中の一つに 「複合的な在留活動の許容」があります。
基本的に、外国人は許可されたひとつの在留資格で認められている活動しかできません。つまり、副業は認められていません。例えば「技術・人文知識・国際業務」ビザを持っている方が、調理師(在留資格「技能」)の仕事を掛け持ちすることはできません。
一方で、高度専門職の在留資格をもっている外国人の場合、主たる業務として従事している職務(=メインの仕事)に関連する事業の経営などが許可されています。例えば大学での研究活動と併せて、自分で会社を立ち上げ経営する活動を行う、ITエンジニアとして働いている方が関連する業務の会社を立ち上げるなど、複数の在留資格にまたがるような活動を行うことができます。つまり、副業をすることや起業をすることが可能になります。また、主たる業務として従事している職務との関連性が薄い場合でも、副業によって本来の在留活動が妨げられないと判断されれば起業ができる場合があります。
実際にどんな手続きをすればいいのか?
では、そのまま起業をしていいのかというと、メインの仕事との関連性によります。メインの仕事と関連する事業を立ち上げる場合、とくに地方出入国在留管理局への申請などはいりません。メインの仕事と関連する事業ではない場合、事前に「資格外活動許可」を得る必要があります。
資格外活動許可とは、現在取得している在留資格以外の仕事をして収入を得ようとする場合に、あらかじめ必要になるものです。
資格外活動許可申請書を地方出入国在留管理局に申請し、個別の判断を仰ぐことになります。起業する場合は、「経営・管理」ビザを申請するときと同じように事業計画書などの必要書類をそろえて申請します。
資格外活動許可について詳しくはこちらをご参照ください。 資格外活動許可ってなに?
どちらの場合も、日本人が起業するときと同じように税務署への開業届などは必要です。
まとめ
高度専門職の方の副業や起業は可能ですが、資格外活動許可の申請をし、許可を得ることが必要になる場合もあります。
また、日本企業も副業を認めるところが最近は増えてきていますが、勤務先との雇用契約等の内容を確認し、勤務先が副業を許可しているかの確認も必要です。
Amie国際行政書士事務所では、高度専門職の在留資格の申請はもちろん、副業したい方の資格外活動許可の申請もサポートしています。
是非ご相談ください。
プロフィール
伊藤亜美
・東京都出身
・高校時代をイギリスで過ごし、現地校を卒業
・上智大学外国語学部英語学科で主に異文化コミュニケーションを学ぶ
・卒業後はメーカーの海外部門に11年間勤務
・高校生に英語を10年以上指導 TOEIC 970点 国連英検A級
・千葉県行政書士会・国際業務部部員
・金融庁の 「外国語対応可能な士業のリスト(行政書士)千葉県」 にも正式に登録されています。
海外で生活したことで、異なる文化の中で生活・仕事をする大変さを知り、日本で勉強したい・働きたい外国人や、外国人を雇いたい企業様のお役にたちたいと思い、行政書士の資格を取りました。
人と話すこと、話を聞くことが好きです。丁寧にお客様の状況をヒアリングし、法律の知識を活かして、最良な方法をご提案いたします。また、お客様とのコミュニケーションを丁寧にすることで、お客様が不安を抱くことがないように心がけています。
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