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日本人と離婚したら ‐離婚定住ビザについて‐

Visa

2020,02,16

更新  04/25/2024

 

This blog in English   Divorce and Visa procedures in Japan

 

日本人と結婚して日本に住んでいても、様々な事情で夫婦関係が悪くなり離婚することになる場合があると思います。

日本での離婚手続きや、そのまま日本に住み続けられるのか、について解説したいと思います。

 

 

日本での離婚手続き

 

日本人と結婚した外国人が離婚する場合、どの国の法律が適用されるのでしょうか。
離婚の準拠法を定めている法的用通則法27条但し書きは「夫婦の一方が日本に常居所を有する日本人であるときは、離婚は日本法による」としています。つまり日本に住んでいる日本人と外国人の夫婦の場合は日本の法律、民法が適用されます。

 

離婚の手続きは、夫婦が離婚に同意している場合、原則として協議離婚になります。離婚届に署名をし、市町村長に提出をします。

 

添付書類

  1. 住民票の写し
  2. 本籍地以外で届け出をする場合には戸籍謄本

*外国人配偶者については氏名や国籍に変更があった場合を除いて、添付書類は不要です。

 

離婚自体や離婚条件に争いがある場合には、家庭裁判所による調停や離婚裁判によることになります。

 

 

離婚後も日本に住み続けられる?

 

日本人の夫や日本人の妻と離婚することになった時、心配になるのは「離婚後もこのまま日本に住み続けられるのか?」ということだと思います。

日本の入管法上、外国人が日本に住み続けるためには、何らかの在留資格(ビザ)が必要です。

 永住者や、技術・人文知識・国際業務などの就労ビザ(在留資格)を持っている外国人は、離婚後もビザに影響はありません。そのまま問題なく日本に住み続けられます。

一方で 「日本人の配偶者等」のビザ(在留資格)の方は注意が必要です。

 

  •  離婚係争中

現在の実務上、離婚係争中は、離婚について協議をしていたり、調停裁判をしていたりするなど、何らかの活動している間は、「日本人配偶者等」の資格の在留期間の更新、または「定住者」「特定活動」などの在留資格への変更が認められています。

 

  • 離婚成立後

離婚成立時から14日以内に法務大臣、具体的には地方出入国在留管理局にその旨を届け出なければなりません。この届出が遅れると届出義務違反となり、今後の在留資格変更信施での審査において不利に扱われる可能性があります。

また本国に帰らず、日本に住み続けたい場合、離婚後6ヶ月以内にほかの在留資格(ビザ)へ変更しなければなりません。6か月が経過した場合、正当な理由がない限り、「日本人の配偶者等」の在留資格(ビザ)は取り消しの対象となるからです。他の資格への変更が認められない限り、現在持っている在留期間を超えて在留することができないことになります。

 

 

在留資格変更について

 

日本人配偶者と離婚後に、他の在留資格への変更が認められる例としては以下のケースがあります。

  1. 婚姻期間や日本での滞在期間が長期にわたる場合 → 定住者ビザ(いわゆる離婚定住ビザ)への変更
  2. 日本人の子供の親権者(親権を持つ)や監護者(子供の面倒を見る)になった場合 → 定住者ビザ(離婚定住ビザ)への変更
  3. 学歴・職歴などそれぞれの就労ビザで要求されている条件を満たしている場合 → 技術・人文知識・国際業務などの就労ビザへの変更
  4. 日系人である場合 → 定住者ビザへの変更

 

離婚定住ビザの要件

 

離婚定住ビザは告示外の在留資格になります。「告示外」というのは「個々に活動の内容を判断して、法務大臣がその入国・在留を認めるもの」です。そのため明確な要件が公表されているわけではありません。

これまでの経験上、以下のことが求められると感じます。

 

  • 結婚してからおよそ3年間の経過
  • 一定の収入があり、経済的な不安がない
  • 素行が善良である
  • 日本での生活が長い

 

 

離婚定住ビザの注意点

 

離婚定住ビザは「告示外定住」という特別の扱いのため、一度本国へ帰国し、定住者ビザを取得しての来日は認められません。離婚定住ビザは、原則「日本人の配偶者等」または「永住者の配偶者等」ビザからの変更のみ申請が可能です。

 

 

 

離婚定住ビザについては、個別の判断がされるため、要件を満たせば必ず許可が出るものではありません。

申請をご検討中の方はぜひお問い合わせフォームよりご相談ください。

 

 

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プロフィール

伊藤亜美

・東京都出身

・高校時代をイギリスで過ごし、現地校を卒業

・上智大学外国語学部英語学科で主に異文化コミュニケーションを学ぶ

・卒業後はメーカーの海外部門に11年間勤務

・高校生に英語を10年以上指導 TOEIC 970点 国連英検A級

・千葉県行政書士会・国際業務部担当理事、申請取次委員会委員

・金融庁の 「外国語対応可能な士業のリスト(行政書士)千葉県」 にも正式に登録されています。

海外で生活したことで、異なる文化の中で生活・仕事をする大変さを知り、日本で生活したい・働きたい外国人や、外国人を雇いたい企業様のお役にたちたいと思い、行政書士の資格を取りました。

人と話すこと、話を聞くことが好きです。丁寧にお客様の状況をヒアリングし、法律の知識を活かして最良な方法をご提案いたします。また、お客様とのコミュニケーションを丁寧にすることで、お客様が不安を抱くことがないように心がけています。

 

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