家族を日本に呼びたい 在留資格「家族滞在」について
2019,08,15
In English → I want to live with my family in Japan
更新日:2020/12/14
こんにちは。
申請取次行政書士の伊藤亜美です。
日本で仕事をしている外国籍の方から、母国にいる家族を日本に呼んで日本で一緒に暮らしたい、というご相談をいただくことがあります。
その時に必要になる在留資格が「家族滞在」(家族滞在ビザ)です。
家族滞在ビザについてわかりやすく解説致します。
関連記事 ①「家族滞在」ビザのまま就職できる? ②「家族滞在」ビザで高校卒業後に日本で就職できますか?
在留資格「家族滞在」(ビザ)ってなに?
「家族滞在」ビザとは配偶者(妻・夫)や子供を扶養して、日本で一緒に生活するためのビザです。
就労ビザを持って日本に滞在している外国人の被扶養者に発行されます。被扶養者には、夫や妻、子供などが該当します。
被扶養者と扶養者の関係を証明するために、結婚証明書や出生証明書が必要です。
就労ビザについて、具体的には、次の在留資格を持っている時に、その扶養家族を日本に呼び寄せることできる可能性があります。
- 技術・人文知識・国際業務ビザ
- 経営・管理ビザ
- 技能ビザ(コックなど)
- 企業内転勤ビザ
- 高度専門職ビザ
- その他、教授・医療・報道などの就労関係のビザ
「家族滞在」ビザで親や兄弟姉妹を日本に呼べる?
日本で働くにあたって、親を日本に呼んで日本で一緒に暮らしたい、面倒をみたい、と思うことがあるかと思いますが、日本に呼ぶことができる「家族」とは「配偶者・子供」のことを指します。
残念ながら両親や兄妹姉妹を「家族滞在ビザ」で呼ぶことはできません。
そのため、日本で両親と一緒に暮らすということは難しい状況です。特別に認められる可能性があるとしたら、「特定活動」と呼ばれるビザを取得できた場合です。親が高齢で父母の一方が他界し、本人が一人っ子などの理由で本国でほかに親の面倒をみてもらえる人がいない等の状況が考慮されて、特定活動ビザが許可されることがありますが、基本的には許可を得るのはかなり難しいとされています。
注意:配偶者とは「現に婚姻が法律的に有効に存続中の者」をいいます。
つまり離別した者、死別した者、内縁の者は含まれません。また外国で有効に成立した同性婚による者も含まれません。
在留資格認定証明書(COE)交付申請が必要です
本国で暮らしている配偶者や子供を日本へ呼んで一緒に暮らすためには、「在留資格認定証明書交付申請」をして、在留資格認定証明書(COE)の取得が必要です。
認定申請の審査期間の目安は1ヵ月~3ヵ月です。
時間に余裕をもって申請することをおすすめします。
家族滞在ビザ取得のために必要な立証書類は?
申請人と扶養者の身分関係を立証する書類
- 戸籍謄本
- 配偶者の場合 婚姻受理証明書、結婚証明書など
- 子の場合 出生証明書 など
扶養者の職業・収入等を立証する書類
A.扶養者が収入を伴う活動を行っている場合
- 在留カード
- 扶養者の職業を立証するもの
在職証明書、営業許可書、商業登記事項証明書など - 扶養者の収入を立証するもの
住民税の課税証明書・納税証明書、源泉徴収票、確定申告控えの写しなど
B.扶養者が収入を伴う活動以外を行っている場合(留学ビザ等)
- 在留カード
- 扶養者の預金残高証明書、奨学金の給付額・給付期間等の詳細
- 扶養者が申請者を扶養するのに十分な資力があること
家族滞在ビザの在留期間は、5年、4年3月、4年、3年3月、3年、2年3月、2年、1年3月、1年、6月又は3月です。
家族滞在ビザで働くことはできる?就労制限はあるの?
無事、家族滞在ビザでご家族を日本に呼び寄せることができた場合、家族滞在ビザは扶養されることを前提としたビザであり、就労ビザではないので、原則、働くことはできません。
ただし、資格外活動許可を得れば家族滞在ビザで在留する外国人についても、原則1週間28時間まで就労することが可能となります。なお、資格外活動許可を持っていても、キャバクラなど風俗関係の仕事に就くことはできません。
家族滞在ビザで働く場合、収入額の上限はありませんが、1週間に28時間までという労働時間に制限があるため、例えば時給1,000円で働く場合、月約11万円ぐらいの収入が限界になるでしょう。(28時間×4週間×1,000円)
週28時間を超えて働いてしまった場合、資格外活動許可に違反したことになります。出入国管理及び難民認定法の第9章70条により、資格外活動許可に違反した場合は「3年以下の懲役か禁錮」、または「300万円の罰金」、あるいはその両方が科せられることになりますので、オーバーワークについてはくれぐれも注意してください。
最後に
家族滞在ビザの申請には、多くの場合、上記の書類以外にも必要となります。扶養者の方の納税状況や日本での暮らしの状況等が重要な審査ポイントになり、記載内容や理由書も非常に重要です。
Amie国際行政書士事務所ではコンサルティングから申請の取次まで行っております。どうぞご相談ください。
プロフィール
伊藤亜美
・東京都出身
・高校時代をイギリスで過ごし、現地校を卒業
・上智大学外国語学部英語学科で主に異文化コミュニケーションを学ぶ
・卒業後はメーカーの海外部門に11年間勤務
・高校生に英語を10年以上指導 TOEIC 970点 国連英検A級
海外で生活したことで、異なる文化の中で生活・仕事をする大変さを知り、日本で勉強したい・働きたい外国人や、外国人を雇いたい企業様のお役にたちたいと思い、行政書士の資格を取りました。
人と話すこと、話を聞くことが好きです。丁寧にお客様の状況をヒアリングし、法律の知識を活かして、最良な方法をご提案いたします。また、お客様とのコミュニケーションを丁寧にすることで、お客様が不安を抱くことがないように心がけています。
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