帰化の許可後の手続き
2021,10,25
こんにちは。
申請取次行政書士の伊藤亜美です。
帰化は申請までに多くの書類を集めたり、作成したりかなり時間がかかります。申請してから、結果が出るまでもケースバイケースではありますが、約一年ぐらいかかるとされています。
許可が出たあとにもさらに手続きがありますので、きょうはその流れと手続きについてご説明します。
帰化申請までの流れはこちらをご参照ください 帰化申請までの流れ
近年の許可率
帰化申請は要件を満たしていなかったり、申請しても許可される見込みが低い場合、事前面談の際にその旨が伝えられます。そのため、申請した場合の許可率は高いですが、審査は厳しくなる傾向にあり、ここ10年は下図のように推移しています。
次に許可後の流れや様々な手続きについて説明いたします。
許可後の流れ
1.官報に掲載
*画像はインターネット版HPより
第十条 法務大臣は、帰化を許可したときは、官報にその旨を告示しなければならない。
2 帰化は、前項の告示の日から効力を生ずる。
審査結果が出るころになると、法務局から本人に連絡があり、近いうちに結果が出ることを知らされます。そして許可の場合、官報に公示されます。氏名と住所が掲載され公示され、告示の日から許可の効力が発生します。官報に公示後に、法務局から直接本人へ連絡があります。
官報は30日間はインターネット上でも無料で見ることができます。
2.法務局で書類の受け取り
許可の連絡の時に、法務局に書類を受け取りに来るように言われます。
- 帰化許可通知書
- 身分証明書
が交付されます。その際に、許可後の手続きの説明を受けます。
許可後の手続き
1.帰化届の提出
「帰化届」という書類を住所地の市区町村役場に提出する必要があります。帰化届を提出することで日本に帰化者の戸籍ができます。帰化届には提出期限があるので気をつけてください。
・届出人 帰化する者(15歳未満のときは法定代理人である親権者父母)
・提出期限 帰化の告示の日から1カ月以内
必要な書類
- 帰化届書 ※日本人の配偶者がいる場合は、配偶者の署名・押印が必要
- 届出人の印鑑 ※日本人の配偶者がいる場合は、配偶者の印鑑も必要
- 帰化する人の身分証明書
2.在留カード・特別永住者証明書の返納
帰化後には上記を返納する必要があります。
住居地を管轄する地方出入国在留管理官署に直接持参するか、または参考書式 在留カード等の返納について
及び、返納理由を証する文書(戸籍謄本等)を添付し、返納先に郵送してください。外国人登録証明書も同様です。
<返納先>
〒135-0064 東京都江東区青海2-7-11 東京港湾合同庁舎9階 東京出入国在留管理局おだいば分室あて
帰化した日から2週間以内に返納することが義務付けられています。帰化届よりも期限が短いため、余裕を持って返納しましょう。
また期限内に返納しないと罰金を科されることがあります。
3.本国の国籍喪失の届出
日本は二重国籍を認めていないため、日本国籍を取得後には本国での国籍喪失手続きが必要です。帰化申請の要件にも含まれています。
4.各種名義の変更
名前の書かれている証明書・許可証・契約書などはすべて名義変更をする必要があります。
- 運転免許証の名義・本籍地
- 公的保険・年金保険
- 法人・不動産登記名義
- 銀行口座その他、重要契約書・権利関係を証明する書類名義など名前のあるものすべて
5.日本のパスポート申請が可能に
帰化すると日本のパスポートを申請することが可能になります。帰化届を出すことで戸籍が新しく作られ、戸籍謄本や住民票の写しを入手することができます。
パスポート申請に必要な書類
- 一般旅券発給申請書(10年用又は5年用) 1通
- 戸籍謄本又は抄本(原本) 1通
- 住民票の写し 1通(必要となる方は以下のとおりです。)
(1)住民基本台帳ネットワークシステムの利用を希望されない方
(2)住民登録をしていない単身赴任先や就学先等の都道府県で申請される方(この場合、都道府県によっては対応が異なりますので、詳細は申請先のパスポートセンターにて確認ください。) - 写真(縦45㎜×横35㎜) 1枚
- 本人確認書類(運転免許証など)
申請窓口 はこちら。
まとめ
無事、帰化が許可された後にも、日本人として生活するためにこのようにやるべき手続きがあります。特に帰化届の提出は一か月以内、在留カード・特別永住者証明書の返納は2週間以内という期限が決められているので、なるべく早く手続きをしましょう。
Amie国際行政書士事務所では、帰化申請の最初の面談から、許可まで丁寧にサポートさせていただいております。帰化申請をご検討の方は是非ご相談ください。
プロフィール
伊藤亜美
・東京都出身
・高校時代をイギリスで過ごし、現地校を卒業
・上智大学外国語学部英語学科で主に異文化コミュニケーションを学ぶ
・卒業後はメーカーの海外部門に11年間勤務
・高校生に英語を10年以上指導 TOEIC 970点 国連英検A級
・千葉県行政書士会・国際業務部部員
・金融庁の 「外国語対応可能な士業のリスト(行政書士)千葉県」 にも正式に登録されています。
海外で生活したことで、異なる文化の中で生活・仕事をする大変さを知り、日本で勉強したい・働きたい外国人や、外国人を雇いたい企業様のお役にたちたいと思い、行政書士の資格を取りました。
人と話すこと、話を聞くことが好きです。丁寧にお客様の状況をヒアリングし、法律の知識を活かして、最良な方法をご提案いたします。また、お客様とのコミュニケーションを丁寧にすることで、お客様が不安を抱くことがないように心がけています。お客様の声のページへ
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