配偶者ビザの申請 ーご夫婦で海外在住の場合ー
2024,04,18
国際結婚をして海外で生活をしていたご夫婦が日本へ生活の拠点を移したいというご相談を多く受けます。例えば、日本で子供を育てたい、日本で仕事をしたい、または、老後は日本で生活したい、というご相談です。
ご夫婦共に海外に住んでいる場合、いわゆる配偶者ビザ(在留資格「日本人の配偶者等」)はどのように申請すればいいのか、注意点などを説明したいと思います。
このブログを英語で Certificate of Eligibility for Spouse Visa When Both Spouses Reside Abroad
申請の流れ
- 書類準備
- 日本の出入国在留管理局に申請
- 在留資格認定証明書を受け取る
- 日本大使館や領事館でビザの発給
- 認定証明書の発行日から3か月以内に入国
一般的には、海外で書類の準備をし、日本の出入国在留管理局に申請をします。審査後、許可の場合は在留資格認定証明書が交付されます。認定証明書と必要書類を揃えて日本大使館や領事館に行き、ビザの発給を受けます。
日本人配偶者も海外に住んでいる場合、申請は親戚に頼むか、申請取次の資格を持っている行政書士に依頼するのが一般的です。
申請に必要な書類
ご夫婦が海外に住んでいる場合の必要書類は以下の通りです。
- 申請書
- 日本人配偶者の戸籍謄本(全部事項証明書)
- 申請人の国籍国(外国)の機関から発行された結婚証明書
- 日本での滞在費用を証明する資料
a 預貯金通帳の写し
b 雇用予定証明書又は採用内定通知書(日本の会社発行のもの) - 身元保証書
- 質問書
- 夫婦間の交流が確認できる資料
a 写真
b SNSの記録
日本人配偶者が日本在住の場合と違う点
1.身元保証人
配偶者ビザの認定証明書交付申請をするときには、身元保証人が必要になります。通常は日本人の配偶者が身元保証人になります。しかし身元保証人は「日本に居住する日本人」しかなれません。そのためご夫婦で海外に住んでいる場合、日本人配偶者に代わって、親族に身元保証人なってもらう必要があります。具体的に身元保証人になれるのは6親等内の血族及び3親等内の姻族の方です。日本人配偶者の両親や兄弟姉妹に身元保証人になってもらうケースが多いです。
2.日本での滞在費用を証明する資料
日本人配偶者が日本に住んでいて、海外にいる配偶者を日本に呼び寄せる場合、日本での滞在費用を証明する資料として住民税の課税証明書と納税証明書を提出します。しかし、ご夫婦ともに海外に住んでいる場合はこれらの書類が提出できないため、銀行の預貯金残高や、日本での就職が決まっている場合は雇用予定証明書又は採用内定通知書を提出します。
日本で経済的に困らずに生活できることを証明することが重要です。
日本帰国後の仕事が決まっていない場合、配偶者ビザの取得はむり?
これまで当事務所のお客様でも、帰国後の日本での仕事が決まっていないケースは少なくありません。生活拠点がまだ日本にない状況で、求人を探し、面接、内定までたどりつくのは難しいと考えられます。特に外国人配偶者の場合、「認定証明書が交付されて、日本にきてから最終面接をしたい。」といわれたという話をお客様からも何度か聞いたことがあります。
日本での仕事が決まっていない場合、預貯金を示す資料を提出すること、収入のある日本人配偶者の親に身元保証人になってもらうことや海外での定期収入を証明することで、これまで多くの許可事例があります。
申請代理人が必要
申請者が海外に住んでいる場合、日本に住む申請代理人が必要になります。ご夫婦共に海外に住んでいる場合、身元保証人の親族に申請代理人にもなってもらいます。
最後に
これまでご紹介した方法とは別に、先に日本人配偶者が帰国して、外国人の奥さまや旦那さまの代理人として在留資格認定証明書交付申請をすることもできます。日本に身元保証人や申請代理人になってもらえる親族がいない場合、この方法で申請が可能です。
当事務所ではこれまで多くの配偶者ビザのご依頼をいただいています。ご夫婦で一緒に日本に移住したいというお客様も多く、きょうご紹介した方法で申請し、許可に至っています。当事務所はオンライン申請もしていますので、日本のどこに帰っていらっしゃる場合も、お手伝いさせていただけます。配偶者ビザの申請をご検討中の方は、お問い合わせフォームからぜひご相談ください。
プロフィール
伊藤亜美
・東京都出身
・高校時代をイギリスで過ごし、現地校を卒業
・上智大学外国語学部英語学科で主に異文化コミュニケーションを学ぶ
・卒業後はメーカーの海外部門に11年間勤務
・高校生に英語を10年以上指導 TOEIC 970点 国連英検A級
・千葉県行政書士会・国際業務部担当理事、申請取次委員会委員
・金融庁の 「外国語対応可能な士業のリスト(行政書士)千葉県」 にも正式に登録されています。
海外で生活したことで、異なる文化の中で生活・仕事をする大変さを知り、日本で生活したい・働きたい外国人や、外国人を雇いたい企業様のお役にたちたいと思い、行政書士の資格を取りました。
人と話すこと、話を聞くことが好きです。丁寧にお客様の状況をヒアリングし、法律の知識を活かして最良な方法をご提案いたします。また、お客様とのコミュニケーションを丁寧にすることで、お客様が不安を抱くことがないように心がけています。
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