「高度専門職1号」外国人の転職
2020,08,23
更新 2024-04-15
こんにちは。
申請取次行政書士の伊藤亜美です。
在留資格「高度専門職1号」を持っている方の転職について、わかりやすく解説します。
まず、前回のまとめですが、在留資格「高度専門職1号」は「高度人材」と認定された外国人に発行される在留資格(ビザ)です。簡単に言うと「高度な知識や技能を有している外国人」と認定されたときに在留資格「高度専門職1号」が与えられます。在留期間が5年付与されるなどの様々な優遇措置がとられています。また高度専門職には1号と2号があります。詳しくはこちらをご参照ください。 在留資格「高度専門職」の優遇措置って? 高度人材のポイント制もわかりやすく解説
高度専門職ビザを保有する外国人が転職をしたいと考えたとき、また、高度専門職ビザを持っている外国人を雇いたいと思った時、そのまま転職・採用できるか?ですが、結論から申し上げますと、「高度専門職1号」ビザの場合はできません。
変更申請が必要
「高度専門職1号」ビザについて入管法では、「法務大臣が指定する本邦(=日本)の公私の機関との契約」に基づいて活動することが前提となっているため、所属機関名(会社名)と会社所在地が記載された「指定書」がパスポートに貼られます。その所属機関(企業)で就労することを前提として高度専門職の許可がされているので、その所属機関を辞めて転職する場合、転職前に在留資格の変更申請の手続きをする必要があります。
「技術・人文知識・国際業務」ビザなどでは、パスポートにも在留カードにも所属機関や会社の所在地は記載されません。そのため、「技術・人文知識・国際業務」ビザなどでは、転職後も職種や仕事内容に変更がない場合、転職に伴い、出入国在留管理局への届出や「就労資格証明書」交付申請をし、ビザの申請(変更申請)なしで、適法に就労できることもあります。
一方、「高度専門職1号」ビザの場合は、所定の企業で働くことを前提とされているため、転職先の会社を基準に転職前に再度審査を受ける必要があるので要注意です。また「就労資格証明書」交付申請をして、転職することもできません。
この際、他の在留資格に変更申請することも可能ですし、条件を満たしていれば、再度、転職先の会社でも高度専門職ビザの申請をすることも可能です。
転職した場合のポイント計算
高度専門職ビザを得るには、入管法第7条第1項第2号に掲げる「上陸条件への適合性」を判断する際に「学歴」「職歴」「年収」「研究実績」などの項目ごとに設定されたポイント応じてポイント計算をしますが、これは転職時に新しく評価のしなおしになります。
ですから、場合によっては転職先ではポイントが足りず、高度専門職に該当しないケースもあります。
まとめ
ここまでご説明してきたのは、「高度専門職1号」ビザを保有する外国人の方の場合です。このように、「高度専門職1号」ビザの場合、たとえまだ在留期間が残っていたとしても、転職前に在留資格(ビザ)の変更手続きが必要になります。
一方、高度専門職2号は、活動する会社などが限定されていませんので、転職先での業務が「高度専門職」の業務である場合、変更届出は必要ですが、在留資格の変更許可を受ける必要はありません。
高度専門職ビザを取得したい方、また、高度人材にあたる外国人を雇用する経営者の方、Amie国際行政書士事務所ではカウンセリングから申請取次によるビザ取得まで、迅速、かつ丁寧にお手伝いさせていただきます。どうぞご相談ください。
プロフィール
伊藤亜美
・東京都出身
・高校時代をイギリスで過ごし、現地校を卒業
・上智大学外国語学部英語学科で主に異文化コミュニケーションを学ぶ
・卒業後はメーカーの海外部門に11年間勤務
・高校生に英語を10年以上指導 TOEIC 970点 国連英検A級
・千葉県行政書士会 国際部理事
・金融庁の「外国語対応可能な士業のリスト(行政書士)千葉県」にも正式に登録されています。
海外で生活したことで、異なる文化の中で生活・仕事をする大変さを知り、日本で勉強したい・働きたい外国人や、外国人を雇いたい企業様のお役にたちたいと思い、行政書士の資格を取りました。
人と話すこと、話を聞くことが好きです。丁寧にお客様の状況をヒアリングし、法律の知識を活かして、最良な方法をご提案いたします。また、お客様とのコミュニケーションを丁寧にすることで、お客様が不安を抱くことがないように心がけています。
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