4か月の「経営・管理ビザ」の現状
2020,04,28
更新日 2022/10/30
こんにちは。申請取次行政書士の伊藤亜美です。
海外に住む外国人のお客様から、日本に会社設立をしたいというご相談がとても増えています。
よくあるご相談は、4か月の経営・管理ビザを取得して日本に来て、銀行口座などを開設したいというご相談です。4月の経営・管理ビザの使い勝手について解説したいと思います。
This article in English Reasons we do not recommend 4-month Business Manager visas
4か月の「経営・管理」ビザ新設の経緯
2015年の入国管理法改正において、2015年4月1日より「経営・管理」に「4ヶ月」という在留期間が設けられました。従来は短期滞在90日で入国し、外国人登録を行って印鑑証明書などを取得し、そして会社の設立という流れが可能でした。しかし、外国人登録制度の廃止にともなって住民基本台帳制度も変わり、住民登録することができる外国人は中長期在留者などに限られることになりました。つまり滞在期間が3ヶ月以下である「短期滞在(90日)」では在留カードが発行されなくなりました。
結果として、短期滞在のビザでは住民登録や印鑑登録ができず、銀行口座も開設できないため、短期滞在期間中に会社を設立することができなくなりました。このような事態に対応するために「経営・管理」ビザの4ヶ月が新設されました。
そして、会社を設立する意思があることや設立がほぼ確実に見込まれることが提出書類から確認できた場合には、会社設立前であっても4か月の「経営・管理」ビザを取得することができるようにしたのです。
4か月の「経営・管理」ビザの現状
1.銀行口座開設
在留カードと印鑑証明書があれば銀行口座は開設できます。しかし、口座開設には在留期間6ヶ月以上を条件としている銀行が多く、4か月の「「経営・管理」ビザ」を取得し、在留カードと印鑑証明書を用意できても、滞在期間が6か月未満の外国人に口座開設を認めてくれる銀行が少ないのが現状です。
銀行口座が開設できないと資本金の振込ができないため、会社設立登記ができません。
2.事業所や住居の確保
日本での不動産賃貸は多くの場合、契約が年単位であること、また連帯保証人が必要です。4か月の経営管理ビザが許可されても、当初在留期間が4ヶ月の「経営・管理」ビザでは、貸主から断られることが多く、海外に住む外国人の方だけで不動産の契約をすることが非常に困難です。
まとめ
4か月の「経営・管理」ビザを作った法の趣旨と、現状の運用にこのような違いがあります。ですから、海外在住の外国人の方が日本で会社設立をし、「経営・管理」ビザの取得を希望する場合は、従来通り、日本人でも外国人でもかまいませんので、日本における協力者を得て、一時的に新設会社の共同代表取締役に就いてもらい、資本金振込み、事業用不動産の契約手続き等の協力を頼み、一年の「経営・管理」ビザの取得を目指す方法を、当事務所ではお勧めしています。
経営・管理ビザ全般に関するご相談はAmie国際行政書士事務所へお気軽にご連絡ください。
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