フィリピン人を雇用するための手続きーPOEAとPOLOについてー
更新日:2020/11/23
更新日:2023/4/17
こんにちは。申請取次行政書士の伊藤亜美です。
フィリピンは親日国であること、また英語を話せる方が多いので、フィリピン人を雇用したいと考える経営者様も多いかと思います。
ただ、フィリピン人を雇うには、ほかの外国人を雇うのとは違う独特の手続きが必要になります。ビザ申請の前にもう一つ手続きが必要になります。それがPOEAとPOLOの手続きです。
POEAとPOLOについてわかりやすくご説明いたします。
*追記
POLOは移住労働者事務所MWO(Department of Migrant Workers)に名称が変更され、POEAは移住労働者省(DMW=Department of Migrant Workers)に統合されました。
DMW(旧POEA)ってなに?
旧POEAはPhilippine Overseas Employment Administrations の略でフィリピン海外雇用庁を指していました。現在はDMW=Department of Migrant Workers 移住労働省に統合されました。
フィリピンは2019年1月のデータによると全就業人口の22%が農林水産に従事をしています。国内に能力に見合った就労機会が十分になく、就職難といわれています。その結果、人口の1割にあたる1,000万人にのぼるフィリピン人が海外で働きに出ています。特に中東やアジアで働いているフィリピン人が多いです。そこで、海外へ出るフィリピン人が不当な労働条件で働かされないようにフィリピン人の人権保障のために、出国前に勤務先の審査をするのがDMW(旧POEA)の役割です。
つまりフィリピン人個人と企業が契約を結び直接雇用することが禁止されています。必ずDMW(旧POEA)と契約をする必要があります。
DMW(旧POEA)は具体的には雇用主とフィリピン人労働者との契約内容が適正かどうか、勤務先の現地登録情報などをチェックします。問題がなければ雇用の許可を出します。DMW(旧POEA)の審査後に海外雇用証明書OEC (Overseas Employment Certificate)が発行され、フィリピン出国の際に必要になります。
ITエンジニアなど、ハイスキルと認められた一部の業種については、直接雇用禁止免除の申請を行うことにより、日本企業が直接雇用することが可能となります。直接雇用禁止免除に該当するかどうかは、DMW(旧POEA)の判断になります。
*以前は、POEA認定の現地エージェント(送り出し機関)と契約が必要でしたが、いまは日本企業とDMW(旧POEA)が直接契約できるようになりました。
MWO(旧POLO)ってなに?
MWO(移住労働者事務所)はDepartment of Migrant Workersの略です。DMW(旧POEA)がフィリピンにあるのに対し、MWO(旧POLO)は海外の各国に拠点があります。日本のMWOは東京都の六本木のフィリピン大使館の中にあります。
フィリピン人を日本に呼びよせるときの手続き
- フィリピン就労者と日本の雇用主がDMW(旧POEA)と契約。
- 雇用主が雇用契約書などの書類を準備
- MWO(旧POLO)に書類提出
書類に不備がなければ標準審査機関は15営業日。審査費用は掛かりません。書類はすべて英語です。 - MWO(旧POLO)にて雇用主の面接
英語で行われます。内容は会社の事業内容や福利厚生などについて聞かれます。 - 日本の出入国在留管理庁へ在留資格認定証明書(COE)を申請
- 在留資格認定証明書がおりたら、フィリピンの日本大使館でビザの申請
- DMW(旧POEA)に提出するための認可書類をMWO(旧POLO)がフィリピンの就労者へ送付
- 就労者がDMW(旧POEA)へ提出
- DMW(旧POEA)の就労許可取得
- 就労者の来日
まとめ
このように、在留資格認定証明書交付申請のほかにMWO(旧POLO)・DMW(旧POEA)への手続きが入るために、フィリピン人の雇用は通常の外国人雇用に比べ、長い時間がかかります。就労開始まで十分な時間を確保して、採用することをお勧めします。
また、MWO(旧POLO)へ提出する必要書類は多岐にわたり、すべて英語になります。
通訳を連れていくことは許可されていますが、MWO(旧POLO)での雇用主の面接はすべて英語で行われます。
このようにフィリピン人を雇うためには、さまざまな手続きが必要になります。
Amie国際行政書士事務所では、在留資格認定証明書(COE)の申請はもちろん、MWO(旧POLO)への英語での提出書類のサポート、面接の通訳などのサポートも可能です。ご相談ください。
プロフィール
伊藤亜美
・東京都出身
・高校時代をイギリスで過ごし、現地校を卒業
・上智大学外国語学部英語学科で主に異文化コミュニケーションを学ぶ
・卒業後はメーカーの海外部門に11年間勤務
・高校生に英語を10年以上指導 TOEIC 970点 国連英検A級
海外で生活したことで、異なる文化の中で生活・仕事をする大変さを知り、日本で勉強したい・働きたい外国人や、外国人を雇いたい企業様のお役にたちたいと思い、行政書士の資格を取りました。
人と話すこと、話を聞くことが好きです。丁寧にお客様の状況をヒアリングし、法律の知識を活かして、最良な方法をご提案いたします。また、お客様とのコミュニケーションを丁寧にすることで、お客様が不安を抱くことがないように心がけています。
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