フィリピン人雇用の特有な手続き。POEAとPOLOって?
2020,03,29
更新日:2020/11/23
フィリピンは親日国であること、また英語を話せる方が多いので、フィリピン人を雇用したいと考える経営者様も多いかと思います。
ただ、フィリピン人を雇うには、ほかの外国人を雇うのとは違う独特の手続きが必要になります。ビザ申請の前にもう一つ手続きが必要になります。それがPOEAとPOLOの手続きです。
POEAとPOLOについて申請取次行政書士の伊藤亜美が簡単にわかりやすくご説明いたします。
POEAってなに?
POEAはPhilippine Overseas Employment Administrations の略でフィリピン海外雇用庁を指します。
フィリピンは2019年1月のデータによると全就業人口の22%が農林水産に従事をしています。国内に能力に見合った就労機会が十分になく、就職難といわれています。その結果、人口の1割にあたる1,000万人にのぼるフィリピン人が海外で働きに出ています。特に中東やアジアで働いているフィリピン人が多いです。
そこで、海外へ出るフィリピン人が不当な労働条件で働かされないようにフィリピン人の人権保障のために、出国前に勤務先の審査をするのがPOEAの役割です
具体的には、POEAは、雇用主とフィリピン人労働者との契約内容が適正かどうか、勤務先の現地登録情報などをチェックし、問題がなければ雇用の許可を出します。
フィリピン国籍の人を日本企業が直接雇うことは原則できず、フィリピン国内でPOEAに登録されたエージェントを通しての雇用契約が必要となります。
ITエンジニアなど、ハイスキルと認められた業種については、直接雇用禁止免除の申請を行うことにより、日本企業が直接雇用することが可能となります。直接雇用禁止免除に該当するかどうかは、POEAの判断になります。
POLOってなに?
POLOはPhilippine Overseas Labor Officeの略です。POEAがフィリピンにあるのに対し、POLOは海外の各国に拠点があります。つまり、POEAの海外出先機関がPOLOです。日本のPOLOは東京都の六本木のフィリピン大使館の中にあります。
フィリピン人を日本に呼びよせるときの手続き 英語の面談?
- フィリピン就労者と日本の雇用主が、POEA認定の現地エージェント(送り出し機関)と契約。
- フィリピンのエージェントと日本の会社で雇用契約書などの書類を準備
- POLO東京に書類提出 (書類に不備がなければ標準審査機関は5-10営業日。審査費用は掛かりません。書類はすべて英語です。)
- POLO東京にて雇用主の面接
英語で行われます。内容は会社の事業内容や福利厚生などについて聞かれます。 - 日本の出入国在留管理庁へ在留資格認定証明書(COE)を申請
- 在留資格認定証明書がおりたら、フィリピンの日本大使館でビザの申請
- POEAに提出するための認可書類をPOLOがフィリピンの就労者へ送付
- 就労者がPOEAへ提出
- POEAの就労許可取得
- 就労者の来日
まとめ
このように、在留資格認定証明書交付申請のほかに、POLO、POEAへの手続きが入るために、フィリピン人の雇用は通常の外国人雇用に比べ、長い時間がかかります。就労開始まで十分な時間を確保して、採用することをお勧めします。
また、POLOへ提出する必要書類は多岐にわたり、すべて英語になります。
通訳を連れていくことは許可されていますが、POLO東京での雇用主の面接はすべて英語で行われます。
このようにフィリピン人を雇うためには、さまざまな手続きが必要になります。
Amie国際行政書士事務所では、在留資格認定証明書(COE)の申請はもちろん、POLOへの英語での提出書類のサポート、面接の通訳も含めて、POEA、POLOへの手続きも、トータルでのサポートも可能です。ご相談ください。
プロフィール
伊藤亜美
・東京都出身
・高校時代をイギリスで過ごし、現地校を卒業
・上智大学外国語学部英語学科で主に異文化コミュニケーションを学ぶ
・卒業後はメーカーの海外部門に11年間勤務
・高校生に英語を10年以上指導 TOEIC 970点 国連英検A級
海外で生活したことで、異なる文化の中で生活・仕事をする大変さを知り、日本で勉強したい・働きたい外国人や、外国人を雇いたい企業様のお役にたちたいと思い、行政書士の資格を取りました。
人と話すこと、話を聞くことが好きです。丁寧にお客様の状況をヒアリングし、法律の知識を活かして、最良な方法をご提案いたします。また、お客様とのコミュニケーションを丁寧にすることで、お客様が不安を抱くことがないように心がけています。
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