日本人の配偶者、永住者の配偶者の人の永住申請
2024,03,18
日本人の配偶者、永住者の配偶者の方が永住申請をする際には、永住要件の緩和があります。つまり就労ビザを持っている人などの一般的な永住申請の条件より緩くなります。
一般的な永住要件
(1)素行が善良であること
良識のある行動をとり、法を守り、一般的な社会生活で非難されないような生活を送っていること。
(2)独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
自立した生活を維持できるだけの資産や技能を持ち、公共の負担にならず、将来的に安定した生活が見込まれること。
(3)永住が日本国の利益に合すると認められること
①日本に10年以上居住していること。ただし、その期間のうち、就労資格を持って5年以上居住していることも条件となります。
②罰金刑や懲役刑を受けていないこと。また、公的義務(納税、公的年金、公的医療保険の保険料の支払い、出入国管理及び難民認定法に定められた手続きなど)を適切に履行していること。
この項目が大変厳しく審査されます。社会保険料の納付状況は過去二年、未納はもちろん、期限までに支払っていない場合も不許可になりやすいです。
③現在の在留資格に関して、最長の在留期間を持っていること。
配偶者ビザの在留期間は5年・3年・1年・6か月のいずれかです。現在は在留期間「3年」を与えられていれば永住申請できます。
④公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと。
日本人の配偶者、永住者の配偶者の人の特例
日本人、永住者及び特別永住者の配偶者の場合、実体のある結婚生活が3年以上続き、かつ、引き続き1年以上日本に住んでいる場合は、永住申請をすることができます。この特例を受けるためには、現在持っている在留資格が「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」であることは必要とされていません。例えば、技術・人文知識・国際業務などの就労資格の場合でも、事実上、日本人の配偶者、または永住者の配偶者の方は、永住申請の特例の要件を満たせば、日本での10年間の在留期間がなくても永住申請をすることができます。この場合、婚姻に至った事情もあわせて提出する必要があります。
その他の条件に関しては、上記の一般的な永住要件と同じです。
離婚した場合の永住申請
在留資格「日本人の配偶者等」や「永住者の配偶者等」は夫婦としての活動に対して与えられる在留資格です。離婚した場合は「日本人の配偶者等」や「永住者の配偶者等」ではなくなりますので、要件の緩和はされません。また、離婚後半年以内に、在留資格の変更が必要です。定住者や就労系の在留資格への変更が考えられます。
必要書類
- 身分関係を証明する書類
申請人の方が日本人の配偶者である場合→配偶者の方の戸籍謄本
申請人の方が永住者の配偶者である場合→配偶者との婚姻証明書 - 家族全員の住民票
- 職業を証明する資料
在職証明書、登記事項証明書など - 直近(過去3年)の申請人及び申請人を扶養する方の所得及び納税状況を証明する資料
・直近3年の住民税の課税証明書及び納税証明書
・源泉所得税及び復興特別所得税、申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税、相続税、贈与税に係る納税証明書(その3) - 資産を証明する資料
預貯金通帳の写しなど - 直近(過去2年間)の公的年金の保険料の納付状況を証明する資料
ねんきん定期便など - 直近(過去2年間)の公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料
健康保険被保険者証(写し)など - 身元保証書
- 身元保証人の身分事項を明らかにする書類
- 了解書
永住許可取り消しについて
これまでは永住者になると、不正に永住許可を得たことが後から判明した場合や、退去強制された場合など以外、基本的には取り消されることがありませんでした。それを悪用してか、永住者になった後、年金や税金を滞納するケースが散見されています。そのため、政府は永住許可を得た外国人について、税金や社会保険料を納付しない場合に永住許可を取り消せるようにする法改正の検討を始めてます。公的義務を果たさないケースへの対応を強化し、永住の「適正化」を図る目的です。ですから、永住申請をして許可された後も、これまで通り税金や社会保険料を納めることが今まで以上に重要になります。
永住申請の審査は年々厳しくなっています。申請をお考えの方は、ぜひ、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
行政書士が最初から最後まで責任をもってサポートします。
プロフィール
伊藤亜美
・東京都出身
・高校時代をイギリスで過ごし、現地校を卒業
・上智大学外国語学部英語学科で主に異文化コミュニケーションを学ぶ
・卒業後はメーカーの海外部門に11年間勤務
・高校生に英語を10年以上指導 TOEIC 970点 国連英検A級
・千葉県行政書士会・国際業務部担当理事、申請取次委員会委員
・金融庁の 「外国語対応可能な士業のリスト(行政書士)千葉県」 にも正式に登録されています。
海外で生活したことで、異なる文化の中で生活・仕事をする大変さを知り、日本で生活したい・働きたい外国人や、外国人を雇いたい企業様のお役にたちたいと思い、行政書士の資格を取りました。
人と話すこと、話を聞くことが好きです。丁寧にお客様の状況をヒアリングし、法律の知識を活かして最良な方法をご提案いたします。また、お客様とのコミュニケーションを丁寧にすることで、お客様が不安を抱くことがないように心がけています。
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