英文契約書の必要性
2020,04,02
海外との取引において、契約書は欠かせません。国際ビジネスでの通常の使用言語が英語であることから、ほとんどの場合、英文契約書が用いられます。
英文契約書は、当事者が相手方に求めること(権利)と、自分がしなければならないこと(義務)を定めるものです。
日本の契約書と英文契約書の違い
日本国内取引で用いられる日本語契約書に比べ、英文契約書は一般的に長く具体的で細かくページ数も多いです。
その理由の一つは外国人と日本人の契約についての考え方の違いがあります。
日本では取引の相手方を、紹介や既に取引実績があるなど信頼できる相手を選ぶことが多いので、相手への信頼が基礎にあることが多いです。契約書は「一応、合意内容を書面にしておく」といった形式的なものとして捉え、契約書に定めのないことについては、協議条項を設けて、後日話し合いにより解決するとする傾向があります。
一方で海外では取引実績もなく、紹介者のいない相手も取引の候補として広く受け入れ、条件の良い相手を選んで取引を行う傾向があります。そのため、合意の内容をできるだけ細かく具体的に記述し、相手方と契約書に定めた条文の解釈が異なったり、相手方が契約違反をすることや、さらには問題が発生することも想定して、その場合どのように解決するかをあらかじめ細かく具体的な条項を定めておくべきである、という考え方に基づいて作成します。
例えば海外取引先が義務を履行しない時や不当な値上げ要求をしてきたような場合、締結した英文契約書があれば、自社に有利な主張ができないかという根拠を、契約書に探し交渉に使います。
また判例法主義の英米法は、日本法と比較して、取引法の分野である例えば民法や商法で定められている範囲が狭いことから、当事者間の取引に関して契約書に記載しておくべき範囲が広くなります。結果として条項も多くなり、ページ数も多くなります。
有利な条件を勝ち取るためには
国際取引の条件交渉において、自社に有利な条件を勝ち取るためには、まず自社に有利な契約書案を先に相手に送ることが大切です。国際取引の交渉においては、通常、取引についての詳細に当事者間の合意が全て成立した後に契約書をまとめて文書するわけではありません。当事者の一方が他方当事者に対して契約書案を送付し、他方当事者が内容をチェックの上、修正・追加・削除して一方当事者に送り返し、また一方当事者が同様のことをして他方当事者に送付するという契約書のやり取りを何回か繰り返えします。そして最終的な合意が反映された契約書が完成する形になります。海外の取引相手は自己に有利な主張を盛り込んだ具体的で長い英文契約書を先に送付してくることが多いです。そして、自らに有利な条件を繰り返し強く主張してくることが通常です。ですから、その前にこちらから先に送ることが大切です。
もし先に相手方から契約書が送られてきた場合、 具体的には、
- これまでの交渉内容が反映されているか、自社に不利益な内容、相手に有利すぎる内容などがないかをチェックします。 また,自社が希望する内容が契約書から漏れていないかも把握し、送られてきた契約書を精査します。
- その結果を盛り込んで契約書を修正し、相手方に送付します。
- その契約書をさらに相手方が検討し、必要があれば、修正・追加・削除などされて戻ってきます。
- これを数回繰り返し、最終的に双方が合意した契約書にサインをします。
英文契約書の翻訳、賜ります
送られてきた契約書を社内で検討するための和訳や、相手に送るための契約書の英訳など、当事務所で承っております。
契約書の内容や難易度をお聞きした上でお見積もりさせていただきますので、どうぞお気軽にAmie国際行政書士事務所へお問い合わせください。
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